信長、家康軍に迫る危機。金ケ崎まで阿月が走る!
あらすじ…徳川軍は幕府軍と共に越前に向かい、朝倉義景を追い詰めます。
敦賀、金ケ崎城に入った信長は宴席でも上機嫌。家康軍は戦に付き合わされる事に不満を漏らしながらも、幕府軍、浅井軍合わせて4万にもなる勝ち戦に安堵していました。
しかし、近江の小谷城で浅井長政はお市に告げます。
「信長を裏切る」と。
突然の告白に狼狽しながらも、自分に非があるのかと聞くお市の方。長政はそれを否定します。信長が自分の意に反する者を悉く攻め、滅ぼす姿勢をみて、いずれは我々が信長の標的になるのではないか、それならば信長を撃つしかない、とお市に告げたのでした。
一方の家康達も不安を感じ始めていました。
一乗谷で籠城すると見ていた朝倉義景が金ケ崎城に向かっているというのです。
もし浅井長政が裏切り、義景と手を組み、金ケ崎を挟み打ちにしたら…。
石川数正は言います。
「心に澱みのない実直な御人。だからこそ、裏切るという事があるのでは。」
浅井長政の裏切りを感じた家康は、金ケ崎城からの撤退を信長に進言します。
しかし信長は本気にしません。長政は義の男、愚弄するな、と怒りを見せる信長に
「義の男ゆえ裏切るということもあるのでは」と家康は言います。
その言葉に、信長は自分に義がないのか、俺は朝廷の為、幕府の為に戦っている!と憤ります。
お前を信じられない者もいる、と諫める家康ですが、お前は俺を信じないのか、朝倉義景の次は徳川だと怒る信長についに
お前の心のうちなどわかるものか!あほ、たわけ!
と想いをぶつけてしまったのでした。感情に任せてしまった自分を反省した家康は、翌朝信長に詫びを入れようと思うのでした。
その間も浅井軍は、どんどん金ケ崎に近づいてきます。
お市の方は長政の裏切りを何とかして家康、信長に伝えるため、小豆のお手玉に「おひきそうらえ」と書いた紙を忍びに運ばせますが、失敗してしまいます。
侍女の阿月は、お市の為、家康に危険を知らせに金ケ崎まで走って伝えに行く決意をします。しかし、浅井軍に気付かれ、川に落とされてしまいます。それでも諦めず、走り続けます。
阿月は、小さい頃から走る事が得意でした。走る事が好きなのに、父親にそれを否定され、挙句の果てに16になると、売り飛ばされてしまいます。一人逃げ出し、近江の小谷城に忍び込み、食べ物を盗んだ阿月。家来に捕らえられますがお市の方に助けられ、侍女として仕えることになったのです。
優しく自分を守ってくれたお市の方の為に、阿月は走ります。浅井軍に怪しまれ、川に落とされても、10里を越える距離を夜通し走り切ったのです。家康の陣に着き、七之助に抱えられた彼女は
「おひきそうらえ」
と家康に告げ、疲れ果てた阿月はそのまま息絶えてしまったのでした。
家康は信長に彼女の命を無駄にしないために、そして退く事がお市の方の想いだ、と伝えます。
信長は木下藤吉郎にしんがりを任せ、退陣します。このまま三河に帰ることは、信長を見捨てる事、幕府に背くことだ、と協力を強いる藤吉郎に苛立つ家康ですが、もたもたしていられません。家臣達と共に浅井、朝倉軍とすする覚悟を決めたのでした。

金ケ崎古戦場碑:引用元:http://www.fuku2.co.jp/fukuicity42e.html
感想…今回はとても悲しい回でした。信長の
孤独を感じましたね。
天下の為、朝廷の為に戦っている。
それが信長の本音であっても、裏切る者は皆滅ぼすというのでは…悲しいかな、独裁者なんですよね…。
そして自分が一番信頼していた浅井長政に裏切られてしまう。ショックだったと思います。
実直な長政が裏切るという事は、自分に義がない、自分の中に義があっても認められていない、という事なのです。家康に信実を言われ、怒る信長。
家康の信長を思っての言葉が、信長の心に入っていかないのは見ていて切なかったです。
石川数正が浅井長政の心を代弁していましたが、これは秀吉に寝返る数正のフラグなんでしょうか…。
阿月はただ悲しかった。せめて生きてほしかった。
お市の方の為、走った阿月。
大変な人生を送った阿月ですが、お市の方の優しさに救われました。お市の方の為に走る。自分の得意である、走ることで、お市の方に応えようとする阿月の健気さに胸を打たれました。
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