瀬名奪還に失敗した元康…。正信と半蔵の新たな策を実行するのでしょうか。
上ノ郷城に潜入!?服部党は…やれるのか?
前半…上ノ郷城攻めのどさくさに紛れ、服部党が潜入し鵜殿長照と子供達を生け捕りにする。これが正信と半蔵の策でした。僅かな望みにかけましょう、数正が元康に語りけます。意を決した元康は半蔵に「やれ」、と命ずるのでした。
服部党は大鼠や穴熊がいなくなり、子供や女も数に数える有様です。正信は伴与七郎率いる甲賀衆も味方に連れてきます。不満気な半蔵ですが、服部党の女忍者は死んだ大鼠の娘。半蔵の前で、手裏剣を次々的に当てていきます。名は?と尋ねる半蔵に
「今日から大鼠…」と呟きます。
上ノ郷攻め。果敢に迫りますが、固い守りに苦戦し退却します。駿府では、今川氏真が鵜殿軍援護のため自ら出陣。瀬名ら関口家一行を連れ、上ノ郷城へ向かいます。
夜になり、鵜殿軍の兵が見回りをしていると、そこに美しい娘が…。怪しんだ兵士が近づくとさっと身を翻し、攻撃。その娘は大鼠でした。反撃する兵士達をを身を潜めた半蔵達が迎え撃ち、装備一式奪うと鵜殿軍に成りすまして上ノ郷城へ潜入。半蔵の合図とともに死んだふりをして潜んでいた忍び達が起き上がり、石垣を登り場内へ。潜入が完了したことを知らせる花火が上がると、元康の号令で上ノ郷城に総攻撃をかけます。
ついに服部党、甲賀衆に囲まれた鵜殿長照は自刃。大鼠は長照の目線から子供達の居場所に気付き、子供達を服部党が追いかけ生け捕りに成功します。
伝令にて成功を知った元康は安堵し、数正に人質交換の成功を託すのでした。
感想…忍び達の活躍が素晴らしかったですね。史実でも上ノ郷攻めに際して甲賀衆を使って攻略したと言われていて、伴与七郎も実在の人物です。知らなかったのでびっくりでした。歴史の1ページを体感している気分でした!
服部党から大鼠の娘が新たに登場しました!妖艶な魅力で、鵜殿軍の兵を惑わせたと思えば、集中し颯爽と戦い、そして半蔵の危機を救います。
勝った半蔵を讃えるかのように刀の棹で叩く。彼女の笑顔が素敵で半蔵の心が少し開いて、見ているこちらも嬉しい気持ちになりました。
瀬名救出へ。親子愛が命を紡ぐ…
後半…今川陣営。氏真は瀬名達に静かに語りかけます。上ノ郷が落ちたこと、正々堂々と戦わなかった元康に思い知らせる為に、瀬名始め、関口家のこの場で処刑すると…。岡部元信に命じ竹千代に刀が当てられたその時。伝令が到着します。
今川本陣の川を挟んで元康軍が陣を張り、鵜殿長照の子供達を捕虜とし、石川数正が仲介に向かったのです。
氏真は数正に怒りをぶつけます。
「忠義の者の御子息を見殺しにすれば駿府様の御名にも御傷が」「今川に忠義を尽くす御家来衆がどう思うか!この岡部様とて」と数正が申し立てます。
「だまれ!どいつもこいつも裏切りよって…世が元康にどれだけ目をかけていたか、我が父が三河者をどれだけ…!恩知らずども、薄情ものどもが‼」
数正をきることが出来ない岡部元信に変わり、氏真が数正に斬りかかろうとすると、巴が立ち上がります。
「みっとものう御座いますぞ、御屋形様、お気持ちが高ぶると抑えられず喚き散らす、幼き頃から少しもお変わりにならぬ、そんな事だから皆離れて行くのです」
そう一括します。
巴と氏純は「自らの命で責めを負うかわりに、娘と孫を助けてほしい、前途有為なる鵜殿兄弟を助け、今川家を再興してほしい」そう訴えます。「義元公ならば必ずやそうしたでしょう」
必死の訴えを静かな表情で聞く氏真。
瀬名は両親の行動をなんとか止めようとしますが、氏純は「馬鹿を申すな!」と瀬名を制します。
氏真は数正、瀬名親子を元康に引き渡します。途中、攻撃を命じようとしましたが、竹千代の「父上!」と何度も呼ぶ声を聞き、氏真は思い留まります。そして退陣したのでした。
感想…後半は悲しい展開となりました。氏純と巴、瀬名の親子愛は涙なしで見る事は出きませんでした。
巴は強く生きるように、氏純は笑顔を忘れないように、瀬名に伝えるのです。
瀬名は笑顔がよく似合う。強く生き抜き、笑顔溢れる幸せな人生を送ってほしい。それがふたりの願いなのです。
氏真はその姿に父、義元を見ました。竹千代が父上と叫ぶ姿は、氏真自身だったのでしょう。
義元の甲冑に「父上…」と呟く氏真の悲しみにまた涙しました。

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